相続放棄について知っておくべきデメリットと注意点
相続放棄は、相続人が相続財産を受け継がないことを選択する手続きです。相続放棄をすることで、相続人は財産を放棄することができますが、一方でいくつかのデメリットがあることも覚えておくべきです。
相続財産が他の相続人に分配される
相続放棄をすると、相続財産は他の相続人に分配されます。これは、相続放棄した相続人が受け継ぐはずだった相続財産が他人の手に渡ることを意味します。借金等の債務より債権のほうが多い場合は損をすることとなります。
生命保険金がもらえないケース
相続放棄をすると、生命保険金がもらえない場合があります。これは、相続放棄した相続人が保険契約者本人であった場合に限りますが、生命保険金は相続財産に含まれるため、放棄されることに注意が必要です。
相続放棄をする際に必要な手続きと期間
相続放棄をする際には、一定の手続きと期間が必要となります。この手続きと期間について知っておくことは、相続放棄をする際に不安やトラブルを回避するために非常に重要です。ここでは、相続放棄をする際に必要な手続きと期間について解説します。
相続放棄の手続き
相続放棄をするには、まずは「相続放棄申述書」の作成が必要です。この申述書は、家庭裁判所で提出する必要があります。
相続放棄申述書の中身には、相続人の氏名や住所、相続財産の内容、相続人が相続放棄する理由などが含まれます。
相続放棄申述書を作成したら、家庭裁判所に提出します。
提出する際には、必要書類や手数料なども一緒に提出する必要があります。
提出後、一定の照会のあと問題がなければ家庭裁判所から「相続放棄受理通知書」が発行され、相続放棄の受理が認められます。
相続放棄の期間
相続放棄の期間は、相続人が相続を知った日から3か月以内となります。相続放棄の期間が過ぎると、相続人は相続財産や借金等の債務を受けることになります。
相続放棄申述書を提出する際には、期間内であることが必要です。
期間内に提出できなかった場合は、裁判所によって相続放棄が認められないことがあります。
そのため、期間内に手続きを完了することが非常に重要です。
以上が、相続放棄をする際に必要な手続きと期間についての解説でした。
相続放棄をする場合は、手続きと期間についてしっかりと理解し、トラブルを回避するためにも注意して実施してください。
相続放棄の費用を抑える方法と法テラスの活用
相続放棄をする場合、弁護士や司法書士に依頼すると手数料（相場として3万円～10万円が多い）がかかりますが、費用を抑える方法もあります。
その方法として、法テラスの活用があります。
法テラスとは、国が設けた法律相談窓口です。法律の専門家に無料で相談できることから、法律に関する相談がある場合には、積極的に利用することがおすすめです。
相続放棄の手続きにおいても、法テラスで相談することができます。
具体的には、相続放棄に必要な書類の作成方法や手続きの流れ、期限などについて相談することができます。
また、相続放棄に関する費用の分割支払についても相談することができます。
そして、法テラスは無料で相談ができるため、利用することで費用を抑えることができます。
ただし、法テラスの地域によっては相談予約が混み合っている場合があるため、早めの予約をおすすめします。
以上のように、相続放棄の手続きにおいても、費用を抑える方法があります。法テラスの利用を検討することで、相続放棄にかかる費用を削減することができます。
相続放棄によって借金を回避する方法と限界
相続とは、亡くなった人の財産を法定相続人に分配する手続きのことです。
しかし、相続財産には債務も含まれます。つまり、相続人は相続財産だけでなく、亡くなった人の借金も相続することになります。
このため、相続人は相続放棄を選択する場合があります。相続放棄によって借金を回避する方法と限界について、以下で説明します。
相続放棄による借金回避の方法
相続放棄をすることで、相続人は相続財産を受け取らないことになります。つまり、相続人は亡くなった人の借金も相続しなくなります。これによって、借金を回避することができます。
しかし、次に説明しますが相続放棄には注意点もあります。相続人としての責任を放棄したからといって、亡くなった人の債務が消滅するわけではないのです。
相続放棄による借金回避の限界
相続放棄をすることで、その相続放棄した相続人は亡くなった人の借金を回避することができます。
しかし、遺産が借金で埋め尽くされている場合、相続人が放棄したからといって借金自体が消滅するわけではありません。
従って、相続人が相続放棄をする場合には、相続人の順位に基づいて次の相続人が借金等の債務を相続することになります。
このため、相続人が相続放棄をすることで、次の相続人に借金が回ってしまう可能性もあります。
まとめ
相続放棄によって借金を回避することができますが、注意点もあります。相続人が放棄した財産や債務は、次の相続人に移行し、借金が回ってしまう可能性があります。
相続放棄する場合は事前に他の相続人や親族に話しておくほうが突然借金を背負う負担は違うといえます。
直接やり取りしたくない場合は、法律家を通して手紙を送るだけでもいいでしょう。
結論
以上の通り相続放棄について述べましたが、注意点もありながらもうまく活用すべき制度だと思います。
ひとりで相談する相手がいない状況で手続きをすることは極力避けて、専門家に気軽に相談するといいと思います。
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